林業
吉野の林業の歴史
大和には日本国家の起源がある。吉野には杉・桧の人工林の起源がある。吉野地方は、足利末期(1500年頃)に造林が行われた記録がある。一般に吉野の材が多量に搬出されるようになったのは天正年間、秀吉が当地を領有し、大阪城や伏見城を始め、地域の城郭建築、その他社の普請用材の需要が増加し始めた頃からである。 その後、当地方は徳川幕府の直領となったが、住民の主たる生業は木材の伐出流送によって維持されていた。 享保年間(1720年)より始まる山地での樽丸製造などの木材利用技術の発達による販路拡大に伴い、漸次造林の方法は集約化し、密植、多間伐、長伐期の施業が進められてきた。(樽丸林業ともいう)時代の変遷により、住宅用造作材が「吉野材ブランド」として全国に出荷され、集約的な施業は今も維持されている。
吉野材の特徴
極端な密植と弱度の間伐を数多く繰り返し、高伐期とする施業である。年輪幅が狭く(1cmに8年輪以上)均一になっている。 完満通直、無節で、色は吉野材特有の淡紅色、日本人の好む心材独特の持ち味が市場で珍重されている。また、他府県産の木材に比べて強度が特に優れている。昭和49年には吉野貯木場内に「吉野材センター」が建設され、共同取引を進め、吉野材の品質管理・販路の拡大・流通機構の合理化に努めるなど多角的な機能を発揮している。また、吉野材は京阪神はもとより、京浜・関東地区へも柱・長押・鴨居・赤柾角・廻縁・天井竿などの製品が出荷されている。(構造・造作材)
吉野杉(桧)が出来るまで
健全な森林の働き
古くから杉・桧の人工林施業が行われてきた吉野においては、土地にあった適地適木の施業が継続されてきたため、人工林と天然林の適正な林分配置がなされてきました。 人工林においては、杉・桧の密植・多間伐により優良材生産が行われ、そして長伐期施業によって森林の機能が一層高められ維持継続されてきました。 その結果、森林資源が循環することとなり、吉野の森林景観が保たれ、吉野林業地帯が形成されてきました。 森林には、木材を生産する働き、山崩れや洪水などの災害を防止する働き、水資源を蓄える働き、地球温暖化防止に貢献する働き、大気を浄化したり騒音を和らげる働き等多くの機能を持っています。 今後は、森林浴などのレクリエーションや野外教育、環境教育の場としての機能を、森林所有者のみならず、多くの人々が利用することが見込まれています。 これらの森林の機能を生かすためには、林業そして森林整備を計っていくことが、今後とも重要となります。
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吉野中央森林組合(支所)
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