吉野の産業

豊かな自然と気候風土の中で発達した吉野の産業

吉野町 町章

最高級の材質を誇る吉野杉・桧は、恵まれた気候風土と卓越した伝統的な集約技術によって育てられ、古くから良質材としてその名を知られてきました。本町はその地理的条件から吉野材の集積市場として発達し、吉野材の製材業が盛んに行われるようになり、さまざまな建築用部材が製材され、良質の吉野材を全国各地に供給してきました。また、吉野材の原木の中央部を建築材として加工した後に残る端材を利用した割箸工業も盛んに行われています。良質な吉野材から作られる吉野割箸は、高級割箸として珍重されています。このように豊かな自然の恵みと先人たちの叡智によって生み出されてきた吉野材を大切に手塩にかけて育てる林業、高級建築材として加工する製材業、その端々までを利用する製箸業などの木材関連産業が町の基幹産業となっています。その他にも、吉野は古くから紙漉きの里としてもその名を知られています。今もなお昔ながらの手作業で、1枚1枚丹念に漉きあげられるこの和紙の特徴は、紙自身が持つ独特の粘りにあり、また反りが少なく日焼けもしません。このような特徴から文化財の修復や高級掛け軸、書道用などに珍重されます。